第25回葬儀・法要コラム「仏壇について」

宗派と本尊・両脇仏について

 

宗派          両脇侍(左)      本尊        両脇寺(右)
天台宗         伝教大師      釈迦牟尼如来      智者大師
浄土宗         法然上人      阿弥陀如来       善導大師
浄土真宗(本願寺派)  蓮如上人      阿弥陀如来       親鸞上人
浄土真宗(大谷派)   九字名号      阿弥陀如来       十字名号
真言宗         不動明王      大日如来        弘法大師
曹洞宗         常済大師      釈迦牟尼如来      承陽大師
臨済宗         普賢菩薩      釈迦牟尼如来      文殊菩薩
日蓮宗         鬼子母神      大曼荼羅        大黒天

 

 

仏壇の基本的考え

 

 仏壇は、位牌を収めるためのもの、先祖を祀るためのものと思いがちですが、仏壇の中心は先祖の位牌ではなく、あくまでも本尊です。

 本尊は仏教の各宗派の根本的な考えを表したものであり、仏壇の中心に安置されます。本尊は菩提寺(その家が属する寺)の宗派によって異なり、普通は立像や坐像、掛け軸などですが、絵像や名号の宗派もあります。本尊の両側には、両脇侍(脇侍)を飾ります。両脇侍も宗派によって異なります。

 仏壇に先祖の位牌を祀るようになったのは、亡くなった人は全て成仏するという仏教の考え方によります。(ただし浄土真宗では位牌を用いません)

 

 

仏壇の構造

 

 遥か昔の古代インドでは土を積み上げて盛り土を作り、そこを神聖な場所として神を祀っていました。これが寺院の起源といわれており、寺院を家にも置けるミニチュアサイズにしたものが仏壇です。

 本尊を安置する場所は須弥壇と呼ばれ聖域を意味します。須弥壇は仏教の世界で中心にそびえ立ち、最も高い位置を表す須弥山をかたどっています。

 須弥壇の上のご本尊を収納する収納スペースを厨子、ご本尊の上の屋根組を宮殿(くうでん)と言い鮮やかで華麗な彫刻が施されています。

 本尊の左右には脇待仏や祖師が祀られ、厳かな雰囲気を一層引き締め、位牌と過去帳(先祖の仏名、死亡年月日、俗名などが書いてあるもの)を置く場合はご本尊の下に置くことになります。

 灯篭やローソク、線香、お花、お水、飲食などのお供え物はすべて手前の低い位置に設けられた檀に置くのがしきたりです。

 一般的な仏具としては、燭台、香炉、花立、線香立て、茶湯器、仏飯器、高坏、教本、鈴、鈴棒、燭台などがあります。香炉・花立・燭台は「三具足」と呼ばれ宗派を問わず仏具として欠かさないものです。

 

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