第54回葬儀・法要コラム「相続の開始」

相続の開始から申告・納税までの流れ

 

 相続の開始から相続税の申告・納税までは、10ヶ月という期限が設けられています。下記はその流れの一覧です。

⑴死亡届の提出          →7日以内に行う

⑵遺言書の確認          公正証書遺言以外は家庭裁判所に提出。検認の手続きを経て開封。

⑶相続人の確認          相続人・被相続人の戸籍謄本により、相続人を確定する。

⑷相続財産の調査と確認      財産を債務などのマイナスも含めて全て調べ、リストを作る。

⑸相続放棄・限定承認の申請    必要な場合は相続放棄・限定承認の申請をする。

⑴~⑸は3ヶ月以内に行う

⑹遺産の評価           相続財産にここの評価額を算定する。相続税の有無の目安をつける。

⑺被相続人の準確定申告      被相続人の亡くなるまでの確定申告をする。

⑹~⑺は4ヶ月以内に行う

⑻遺産分割協議          相続人全員による遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する。

⑼相続税の計算と提出書類の作成  場合によっては延納や物納の申請準備が必要。

⑽相続税の申告と納税       被相続人の死亡した日から10ヶ月以内に行う。

⑻~⑽は10ヶ月以内に行う

 

被相続人(亡くなった人)の死亡すると始まる相続

 

 相続は、人が亡くなったその瞬間から始まります。通夜や葬儀、役所での各種手続き等で慌ただしい日々となりますが、遺産相続についてもしっかり進めていきましょう。

 相続開始日とは「亡くなられた日」のことです。相続は亡くなられた日からスタートします。一方で、相続手続き等の期限があるものは「相続開始を知った日の翌日から」という表現が多いのですが、これは一般的には「亡くなられた日の翌日」となりますが、亡くなられたことを知らない場合や、亡くなられた日が不明確な場合の考え方など一律で「亡くなられた日」とすることが難しい状況もあります。

 相続というと、預貯金や不動産など受け継ぐといったプラスの部分が見られがちですが、「財産上の権利と義務の一切」というのは、借金などの債務や損害賠償責任などのマイナスの財産も含むこととなります。

 なお、裁判所から失踪宣告を受けた人の場合も、死亡とみなされて相続が開始されます。

 

遺言書があるかを確認

 

 被相続人による遺言書の有無で、相続人や相続分が大きく変わる可能性が出てくると共に手続きの流れも異なります。被相続人の死亡後、速やかに遺言の有無を確認しましょう。

 遺言書がある場合は、なるべく速やかに家庭裁判所に検認を申し立てます。検認とはその遺言が確かに存在していることと被相続人によって作成されたものであることを確認するために行う手続です。検認が完了したら遺言執行者により遺言が執行されます。

 遺言書がない場合は、相続人による遺産分割協議を行います。民法で定められた法定相続分を目安に遺産分割について話し合いますが、相続人全員の合意がない限り協議は成立しません。遺産分割協議は相続人全員の出席が必須であり、相続人が未成年者や認知症である場合には代理人を立てる必要があります。

 遺言書がある場合で、遺言書の内容に納得できない場合、相続人全員の意見が一致している、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の実印を押した協議書が必要となります。そうすれば遺言書に沿わない遺産分割を行うことも可能となります。相続人の一人だけが、遺言書の内容に納得できないという意見であっても、全員の実印が揃わなければ、上記のような手続きは出来ません。

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