第14回葬儀・法要コラム「納棺と通夜の準備」

通夜の席次と焼香の順序

 

 亡くなった直後に、遺族が正式な喪服を着る必要はありませんが、なるべく地味な服装に着替え、結婚指輪以外のアクセサリーをはずします。できるだけ早く、通夜・葬儀を通じて着用する喪服を用意します。

 喪主、遺族をはじめ、親族、世話役代表んど、喪家側の立場の人は、通夜・葬儀・告別式を通じて正式礼装を身につけます。

 また通夜の席次は、喪主が棺のそばにつくという以外、はっきりとした決まりはありませんが、席順によって焼香するので、席を決めるときには配慮が必要になってきます。

 一般的には、祭壇に向かって右側に喪主、遺族、近親者が血縁の濃い順に座ります。また左側には世話役代表、友人、知人、職場関係者が座ります。祭壇の正面後方が一般弔問客の席になります。

 焼香の全体としての順番は、喪主、ご遺族・ご親族、会社関係、ご友人、一般参列者という順序になります。

 

通夜の前に納棺を行う

 

 故人との縁の深い人が集まり、故人に別れを告げ、冥福を祈るのが通夜です。本来は夜を通して故人に付き添い、最後のときを過ごすためのものでした。

 現在では、一般の弔問客が日中の葬儀・告別式よりも出席しやすい通夜に弔問することが多くなったこともあり、午後6時~7時から2時間程度に時間を限って、読経・焼香を行う「半通夜」が一般的になっています・

 枕勤めのあと、通夜の前に祭壇の準備ができた時点で納棺(遺体を棺に納める)を行います。納棺に先だって、故人に白いさらしの経帷子(死装束)を着せます。経帷子は手甲や脚絆、そして白の頭陀袋から組み合わされています。これを着せるにあたって、遺族の手で行なうことが大切です。経帷子は左前に合わせ、手足には手甲、脚絆をつけます。足袋をはかせるときには、こはぜをとり、わらじを履かせます。頭には白の三角布をつけ、手に数珠を持たせ、首から六文銭の入った頭陀袋をかけます。経帷子は本来巡礼の装束で、死後は西方浄土に向けて巡礼に出発するという発想があります。ただし、同じ仏教でも死装束は必要とされていない宗派もあります。

 現在では、遺体を清めた後に、浴衣や故人が好んで着ていた服を着せ、その上に、納棺時に葬儀社が用意した布あるいは紙製の略式の経帷子をかけることが多くなっています。また、棺の中に故人の愛用品などを入れますが、金属製やガラス製のものなどは入れるのを控えましょう。

 

 

僧侶へのお礼の準備

 

 通夜が終了し、僧侶が控え室に戻ったら茶菓などでもてなします。通夜振る舞いの準備ができたら案内して、上座に座ってもらいます。

 僧侶が通夜振る舞いを辞退する場合は「御膳料」と「御車代」を包んで渡します。御車代は、喪家が送迎用の車を準備した場合は渡さなくても構いません。どちらも白封筒を使います。

 また、通夜の分の「御布施」を渡すこともありますが、一般的には葬儀が終わってから、全ての御布施を一括して渡すします。

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