第9回葬儀・法要コラム「臨終に際しての遺族側の対応」

危篤の連絡

 

 医師から「危篤」であることを告げられたら、まず息のあるうちに合わせたい人に至急連絡を取ります。危篤といっても突然のことである場合もあれば、長い間療養している場合もありますし、連絡する相手との関係性なども状況はさまざまです。家族としても気持ちの動揺やショックも大きいところではあります。そのような時にまず一般的に危篤を知らせる範囲と順位は以下の通りです。

① 家族や近親者(3親等くらいまでが一般的)

② 特につながりの深い友人・知人

③ 勤務先・学校・関係団体などで深い付き合いがあった人

 ただし、あくまでも目安ですので、本人が会いたがっている人や、家族が知らせたい人に連絡することが大切です。親戚であっても普段から交流のない場合は、特に知らせる必要はありません。様々な事情があり交流が途絶えてしまった家族(親・兄弟など)には知らせた方が後に悔いが残らないでしょう。

 死亡を知らせる範囲

 

 死亡を知らせるのは、①臨終に立ち会うことができなかった家族・近親者、②特につながりの深い友人・知人、③勤務先・学校・関係団体などで深い付き合いがあった人などです。また故人がエンディングノートなどに知らせて欲しい人の名前などが記されていた場合は必ず連絡するようにしましょう。

 死亡をすぐに知らせる必要がある人と、通夜・葬儀の日程が決まってから知らせる人とに分けるようにし、遺族がすべての人に直接連絡するのはとても大変なので、それぞれ代表者2人~3人くらいに通知し、その人たちから他の人への連絡を頼みます。

 また菩提寺の僧侶・神父・神官・牧師など、葬儀でお世話になる宗教者へも連絡をし、葬儀などを決めるにあたって宗教者の予定を聞いておく必要もあります。

 

新聞に死亡広告を出す場合の対応

 

 故人の知名度や社会的地位が高い場合や社葬・団体葬などの場合は新聞に死亡広告を出すことがあります。死亡広告は葬儀社に依頼すれば代理店に連絡し、手配してくれます。

 広告の掲載は、葬儀の前々日の朝刊に出すのが一般的で、料金は広告の大きさや新聞社によって異なるので、葬儀社に確認するようにしましょう。

 

 危篤・死亡の連絡の方法

 

 危篤の連絡はなるべく早く、確実に連絡を取らなくてはいけません。緊急ですので、深夜早朝であっても電話で連絡を行いましょう。

たとえ相手が目上の人であっても失礼にあたりません。どうしても連絡が取れない場合はメールやFAXなどを使います。

危篤の際の電話 例

 

『夜分に(朝早く)恐れいります。◯◯◯◯ の息子(娘)の ◯◯と申します。 昨年より入院中でした母の症状が急変し、危篤状態になりました。

現在は意識がない状態で息も弱く、主治医には一両日が山といわれています。 日頃から◯◯さんの話をよく聞いていたので、母に会って欲しいと思いご連絡をさせて頂きました。

よろしければ、母の息のあるうちにひと目会っていただけませんでしょうか?

こちらは◯◯病院◯◯号室です。

住所は◯◯で、面会時間は何時~何時までです。

どうぞよろしくお願いいたします。 私の電話番号は◯◯です。』

 このように危篤者の名前、連絡者の名前、病院名や所在地、面会時間などは忘れず伝えてください。

 死亡の連絡も危篤の際と同じように、なるべく早く連絡をします。

 死亡の際の電話 例

 

『お世話になっております。◯◯(故人)の ◯◯(関係性)の ◯◯◯◯(名前)でございます。突然のことで驚かれると思いますが、◯◯ が ◯◯(死亡理由)のため本日◯時に亡くなりました。通夜は◯日◯時より、告別式は◯日◯時より◯◯寺にて執り行います。

 というように伝え、葬儀の方式(仏式・神式・キリスト教式・無宗教式・お別れ会など)についても知らせるようにしましょう。

 

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