日本のお寺は、古くから人々の心の拠り所として存在してきました。
しかし、現代社会では少子高齢化や価値観の変化により、お寺の運営が厳しさを増しています。
今回は、地元のお寺の住職へのインタビューから、お寺の収益問題に焦点を当ててみましょう。
人口減少、葬儀の簡素化、誤解されたイメージなど、さまざまな課題を紐解きながら、お寺がどのように生き残りを図っているのかを探ります。
しかし、収益面では深刻な問題を抱えています。
布施の金額も20年間変わらず、3万円が主流。
物価上昇を考えると実質減少です。値上げなど他のサービス形態のビジネスであれば可能なことも、長期的にお付き合いがあり3万から3万5千円、3万6千円と微増すら難しく、次は5万という跳ね上がりが必要ですが、実現しにくいということが多いようです。
住職は「物価のこととかが上がってることを考えるとむしろ下がってる」と指摘しています。この停滞は、お寺の財政を圧迫し、修繕や維持が難しくなっています。
こうした課題に対し、お寺は多角的な収益源を開拓しています。住職はペット霊園や休日イベント開催などにも注力されております。
主催以外に貸し出しも。昔は役員の反対が多かったですが、今はお寺の危機感から積極的です。
葬儀屋さんとの連携は限定的ですが、ペット供養やイベントで収益を補う。
お寺の価値を再認識させる努力が必要です。真面目に運営し、感謝される形で収益を上げる。世の中が良くなれば葬儀需要が戻るはずです。住職は「自分らでいろんなお金を入れることを色々やっていかなきゃいけない」と強調。イベントや貸し出しがその一例です。
さらに、行政や地域との連携も重要。お寺が賑わいの場になれば、活性化につながる。住職の言葉「人もいて場所もいいけどそれが生かされてない」から、お寺のポテンシャルが見えます。
お寺の収益問題を深掘りするために、全国的なトレンドを見てみましょう。
日本全体で、お寺の数は約7万7千ですが、廃寺が増えています。原因は檀家減少と後継者不足。
インタビューでも、葬儀の減少が強調されます。今は家族葬や直葬が主流。これは現代の家族構成の変化にもつながり、昔は数世代が一緒に生活していることもありましたが、現在は核家族も進み
親子でも数年も会っていないこともあるようで、葬儀の連絡を受けた際に「数年もあっていない」ということもしばしば
解決策として、多角経営の例
ペット霊園やマルシェ以外に、カフェやヨガ、婚活イベントを開催するお寺も。
住職のマルシェはペット関連からスタートし、つながりを活かす。「どんどんやっていかないとお寺が危ない」と。
未来に向けて、デジタル活用も。Webサイトで法話配信やオンライン布施。住職のように、真面目に価値提供すれば、支援者が増えるはずです
「専門家の窓口」の役割
「専門家の窓口」では、お寺の収益問題などデリケートな課題を共有し、寺院の皆様の有益になる情報を発信しております。
おわりに
お寺の収益問題は、社会変化の鏡です。住職のように工夫を凝らし、真摯に取り組む姿勢が鍵。私たちもお寺を支援し、心の豊かさを守りましょう。
お寺が存続することで、地域コミュニティが強くなり、精神的な支えが得られます。皆さんも近くのお寺を訪れてみてはいかがでしょうか?
「専門家の窓口」は、これからもリアルな声を届け、皆さんと共に未来を考えます。






