第40回葬儀・法要コラム「故人が厚生年金・共済組合などに加入している場合」

 遺族厚生年金

 

 故人が厚生年金や共済組合に加入していた国民基金第2号被保険者の場合、遺族には遺族厚生年金が支給されます。厚生年金の遺族厚生年金は、子供のあるなしにかかわらず支給されます。ただし30歳未満の子供のいない妻は5年間の有期給付となります。また条件を満たせば妻を亡くした夫も受給できる場合もありますので確認しましょう。

 遺族厚生年金が支給されるのは、故人が次のいずれかの条件を満たしている場合です。

  1. 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)※ただし令和841日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
  2. 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
  3. 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

 受けられる遺族の範囲と優先順位は以下の通りです。

第一順位 ・配偶者(夫妻の死亡時に55歳以上、妻年齢制限なし)・子

      ※第一順位の中での細かい順位は次の通り:子のある妻・子のある55歳以上の夫>子>子のない妻・子のない55歳以上の夫

第二順位 ・故人の父母(死亡時に55歳以上であること)

第三順位 ・故人の孫(子と同じ条件あり)

第四順位 ・故人の祖父母(死亡時に55歳以上であること)

 申請方法は年金事務所または、街角の年金相談センターで行います。期限は故人の死亡日から5年以内です。必要な書類は遺族厚生年金裁定請求書、年金手帳、死亡を証明する書類、戸籍謄本、住民票、所得の証明書などです。

 支給される金額は故人が老齢厚生年金として支給されるはずだった額(故人の収入と厚生年金の加入期間をもとに算出)の4分の3の相当する額です。

 

 遺族基礎年金

 

 第2号被保険者は国民年金と同時に厚生年金(共済組合)に加入しているので、次の条件を満たせば、遺族には、遺族厚生年金と合わせて、国民年金の遺族基礎年金も支給されます。支給要件は以下の通りです。

1.故人が厚生年金の加入者であった。

2.被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

ただし令和841日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

 受給の対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある配偶者 (2)子 ※子とは次の者に限ります。

 ①18歳到達年度の末日(331日)を経過していない子

 ②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

金額や手続きについては、前回の第39回のコラムに掲載しております。

 中高齢寡婦加算

 

 中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金を受ける妻(夫と死別した妻)が、40歳~65歳までの間、遺族厚生年金にお金を加算してもらえる制度です。妻が65歳になると自分の老齢基礎年金が受けられるため、中高齢の寡婦加算はなくなります。

 支給要件は以下の通りです。

1.夫が亡くなったとき、40歳(平成19331日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている場合は35歳)以上65歳未満で、生計を同じくしている子(※)がいないこと

2.40歳(平成19331日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている場合は35歳)に到達した当時、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったこと

「子」とは次のいずれかを満たす人に限ります。

  • 18歳到達年度の末日(331日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある子

 こちらの申請には手続きが必要ありません。遺族厚生年金の手続きをすると、条件を満たしている場合は自動的に手続きしてくれます。

 また、中高齢寡婦加算の金額は、年間585,100円です(老齢基礎年金満額の4分の3相当)。この金額が、遺族厚生年金の金額に加算されます。

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