第29回葬儀・法要コラム「お墓のスタイル」

お墓の様々な形

 

 お墓には、「先祖代々の墓」や「〇〇家の墓」といったような家名が刻んであって、その家の家族や親族の遺骨を共同で納める形態になっています。単位が家になっていて、その家の先祖から子孫へと引き継がれていきます。このことを家墓と言います。

 また、個人や夫婦で入るお墓もあれば、家族ではない他人と一緒に入る合葬墓(共同墓)など様々な形があります。

 最近は、承継者(お墓を継ぐ人で、一般的にはその家の長男)を必要としないお墓(英題供養墓)も増えてきています。

永代供養墓

 

 永代供養とは、お墓参りをしてくれる人がいない、またはお墓参りに行けない方に代わって、寺院や霊園が管理や供養をしてくれる埋葬方法のことを指します。ただ、「永代」といっても、「未来永劫」という意味ではなく、遺骨の安置期間には一定の期限が設けられています。一般的には、33回忌までを期限とするところが多いようです。ただ、決まりはなく、各寺院や各霊園によって、17回忌、33回忌、50回忌、または相談で決めるなどバラバラです。長期にわたり管理・供養を依頼するので、契約内容をしっかり確認し、経営母体がしっかりした墓地を選ぶことが大事です。

 

両家の先祖を合わせて祀る両家墓

 

 両家墓とは2つの家を1つの墓に合祀したもので、最近になってからできたタイプの墓ではなく昔からある墓の形式です。墓を受け継ぐ子供がいない・1人娘が嫁いでしまったなど将来的に墓を維持できない時に利用されます。

 スタイルは2種類で、1つの墓石に2つの家名や家紋を並べるタイプと墓所の敷地が広くそれぞれの家名が書かされた墓石を並べるタイプです。両家で新しく建立するケースもありますが、それぞれ別の場所にあった墓を改葬して1つの墓にまとめるケースが主流になります。洋型の墓石に「やすらぎ」「しあわせ」などとして両家の家名を刻まないケースもあります。

 複数のお墓を一つにまとめるには、比較的民間霊園や寺院墓地は受け入れてもらえますが、宗教や宗派が違う墓地からの改葬を嫌がる寺院もありますので事前に確認が必要です。宗教や宗派が違う寺院の場合にどちらかの家が改宗・改派の必要があるかもしれませんので注意しましょう。

 

 

納骨堂もさまざま

 

 最近は墓地を求めて墓石を建てるより、費用がかからない納骨堂を、家のお墓として利用する人も増えています。納骨堂には、ロッカー型や仏壇型、棚式など、さまざまな形があります。

 納骨堂には試用期間がありますが、期限がきたら契約を更新することもできます。また、承継者を必要としない永代供養型の納骨堂もあります。

 

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