火葬場に向かう車中の席順
火葬場に同行するのは、故人の遺族と親族のほか、故人と特別に親しくしていた人に限られます。遺族と親族以外の誰が火葬に立ち会うかは、必ず事前に決めておき、乗車する車も決めておきましょう
火葬場へは霊柩車が先頭になります。霊柩車の助手席には葬儀社の人が乗ります。霊柩車に続く車には、位牌を持った喪主・僧侶・遺影を持った遺族代表が乗ります。
そのあとの車には、遺族・近親者・友人・知人が血縁の深い順に乗るのが一般的です。霊柩車に続く車はタクシー、その後ろにはマイクロバスとすることが多いですが、霊柩車に続く車がマイクロバスの場合は、運転手の後ろに喪主、その隣に遺族代表、その後ろからは血縁の深い順に座ります。
火葬場までのルートですが、葬儀にまつわる昔からの風習に、「火葬場へ向かった道順と、帰るときの道順は、重ならないようにする」というものがあります。これは「故人の霊が帰ってきてしまうことがないようにする」、つまり「故人が迷うことなく成仏するのを助ける」という目的で行われているものです。
納めの式
火葬場に到着したら、係りの人に火葬許可証を渡します。棺は霊柩車から下ろし、炉の前に安置します。火葬場によってはすぐに炉に入れる場合もあるそうです。
炉の前には祭壇用の小机があるので、持ってきた位牌と遺影を机の上に飾ります。そのほかの香炉・燭台・生花・供物などは火葬場で用意してくれます。
僧侶が同行したときは読経が行われます。喪主、遺族、親族という順に全員が焼香し、次に柩に向かって最後の別れのあいさつ(礼)をします。柩は炉に運ばれ、火が入ります。これを「納めの式」といいます。
火葬を待つ間1~2時間ほどあるので、遺族は控え室で僧侶と同行者を茶菓でもてなします。また僧侶には上座に座ってもらういます。この時に今後の法要について聞いておくといいでしょう。
骨揚げの作法
火葬のすんだお骨を骨壷に納めることを「骨揚げ」といいます。ほかにも「収骨」、「拾骨」、「骨拾い」ともいいます。
骨上げは2人が1組になって1つの骨を拾います。これには、この世からあの世への「橋渡し」(箸渡し)の意味があります。
順序は喪主が最初に、親族から故人と血縁の濃い順に足、腕、腰、背、ろっ骨、歯、頭と進み、最後に喪主がのど仏を拾い、骨つぼのいちばん上に置きます。宗派によっては2人1組での骨上げを行わないこともあります。また、骨壺は地域によって大きさが違い、全部の遺骨を納める地域と、一部のみ納める地域があります。
「骨揚げ」が終わると係員が骨壷を白木の箱に入れ、錦帯をかけてくれます。このとき、箱の中に「埋葬許可書」を一緒に入れてくれます。納骨の際に必要な書類なので、なくさないようにしましょう。
遺骨は喪主が両手で抱えて持ち、喪主につづく遺族が位牌と遺影を持って、喪主の車を先頭に帰宅します。