そもそも社会保険労務士とは?
こんにちは。はじめまして。私は社会保険労務士の大神と申します。
お読みいただいている貴方は、「社会保険労務士」という資格をご存じでしょうか?弁護士や税理士は知っていても、社会保険労務士を知らない方はまだまだ沢山いらっしゃると思います。また「社会保険労務士」という名前はご存じでも、何をする人なのかはよくわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私がよく説明に使うのは、「会社の中の経理のお仕事が税理士さん、総務のお仕事が社会保険労務士」と言います。もちろん、正確なわけではありませんが、そう言えば大体のイメージは掴んでいただけるようです。
具体的には、会社に就職したり辞めたりした時の社会保険や雇用保険の手続き、労災が生じた時の手続きなどの手続業務、就業規則・賃金規程等の社内規定や労使協定という雇用に関する書類等の作成、労働問題に関するご相談への助言、人事制度等の社内制度の整備などを行うのが社会保険労務士の主な業務です。
その他にも、私は従業員の皆様の御相談にも対応しています。会社の上司には言いにくい話も外部の資格のある人になら話せる…ということもあるのではないでしょうか。また、採用に関するお手伝いも対応しています。例えば、面接の支援や求人に関するご相談等です。あるいは、一度採用した人がすぐに辞めないようにするにはどうしたら良いのか?といった御相談も対応しています。
例えば、ブラック企業をできるだけ無くすような指導をすることも社会保険労務士の仕事のうちです。時々、「社労士(社会保険労務士の短縮形)は会社の味方で従業員の敵」というようなことを仰る方がいらっしゃいますが、それは全くの誤解です。社会保険労務士の仕事には、会社が労働法に違反するような雇用の仕方をしている場合は、それを止めさせることも含まれています。会社にとって都合の良いことのみを指導するのは社会保険労務士の仕事ではありません。なぜなら、違法行為をしているということは、その企業にとってマイナスでしかないからです。会社の業績を良くしようと思えば、最低限、法律を守ることが必要です。会社と従業員の双方にとって良い労働環境を作り、会社の発展のお手伝いをすることが社会保険労務士の仕事なのです。
「あ、そういったことなら自分にも関わることかも!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は、社会保険労務士の仕事は、働く全ての方に関わっているのです。
その他に、年金を受給するための手続業務も社会保険労務士の仕事の一部です。ただ、これは会社に勤務することとは直接は関係ありませんので、私は業務としては行っていません。しかし、年金に関するご相談には対応しています。
社会保険労務士とお寺の関係
さて、この「法律家の窓口」へは「お寺の窓口」から来られた方も多いのではないかと思います。なぜ、会社の総務のお仕事をするような人が、お寺と関係しているのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。多くのお寺様はご住職様とそのご家族で運営されていらっしゃることが多いと思いますので、その場合は、労働問題としては関わることはあまりないかもしれません。でも、もし1人でも家族ではない方が働いていらっしゃるのであれば、その方に関しては雇用の問題が生じる可能性があります。
また、家族だけで運営されている場合でも、例えばご住職様の退職金規程を作る必要があるのであれば、それは社会保険労務士か弁護士の業務となります。そうではない人が報酬を取って作成するのは違法ですので御注意ください。
それ以外にも働くことに関連して生じるハラスメントに関する問題は、社会保険労務士が対応することとなります。セクハラやパワハラだけでなく、ハラスメント=嫌がらせ全般について、どのように対応するべきなのか?等も御相談いただければ対応いたします。
従業員を採用するところから退職するところまでの、全ての労働に関する問題に関わっているのが社会保険労務士です。
この後、具体的な問題について、お話していこうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。